犬・猫のワクチン接種|接種時期・義務をブリーダー向けに解説

犬・猫のワクチン接種|接種時期・義務をブリーダー向けに解説

複数頭の親犬・親猫を飼養するブリーダーにとって、「誰が、いつ、どのワクチンを接種したか」を継続的に把握するのは簡単ではありません。

特に出産に関わる母犬・母猫では、交配や妊娠の時期も考慮する必要があるため、接種タイミングの管理はより複雑になります。そのため、「次に接種が必要なのは誰か」「いつ頃接種すべきか」をすぐに判断できる状態を保つことが、日々の管理における課題の一つです。

この記事では、犬・猫のワクチンについて、ブリーダーが押さえておきたい狂犬病予防注射の義務、混合ワクチンの考え方、子犬・子猫の接種時期、母犬・母猫の接種タイミングを整理します。そのうえで、Churupiを使ってワクチン接種対象となる親犬・親猫を自動で抽出し、日々のワクチン管理を効率化する方法も紹介します。

犬・猫のワクチン接種で、まず押さえたい「義務」と「推奨」

犬・猫のワクチンは、まず「法律上、接種が必要なもの(義務)」と「予防のため、生体ごとに接種を検討するもの(推奨)」に分けると理解しやすくなります。

ワクチン 犬 猫 考え方
狂犬病予防注射 法律上の接種義務あり 通常は対象外 犬は法律に基づいて定期的な接種・記録管理が必要
混合ワクチンなど 生体ごとに検討 生体ごとに検討 年齢・健康状態・飼養環境などを踏まえて接種内容や時期を決める

つまり、犬の狂犬病予防注射は法律上の義務、それ以外の犬・猫のワクチンは、感染症リスクや生体の状態に応じて接種計画を立てるもの、と整理するとシンプルです。

犬の狂犬病予防注射は法律上の義務があり、混合ワクチンなどは犬・猫それぞれの年齢や健康状態、飼養環境に応じて検討することを示した図

混合ワクチンとは?コアワクチンとノンコアワクチン

混合ワクチンとは、複数の感染症に対するワクチンを組み合わせた製剤の総称です。「混合5種」「混合8種」などの呼び方を見かけますが、含まれる感染症の種類は製品によって異なります。

ワクチンの考え方として、広く接種が推奨されるコアワクチンと、生活環境や地域の感染リスクなどに応じて検討するノンコアワクチンに分けられます。

環境省の「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」では、犬では犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、狂犬病、猫では猫汎白血球減少症、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症などをコアワクチンとして紹介しています。

同じ犬舎・猫舎でも、年齢、外出の有無、飼育環境などによって感染リスクは変わります。使用する製剤や接種頻度も含め、実際の接種計画はかかりつけの獣医師と相談して決めるのが基本です。

子犬・子猫のワクチン接種時期はどう考える?

子犬・子猫のワクチンでは、母親から受け継いだ抗体の影響があるため、1回の接種だけで終わるとは限りません。幼齢期には一定の間隔をあけて複数回接種し、免疫を形成していく考え方が一般的です。

WSAVA(世界小動物獣医師会)の2024年ガイドラインでは、飼養する子犬・子猫のコアワクチンについて、一般的に6〜8週齢から開始し、2〜4週間隔で接種を繰り返し、初回シリーズの最後の接種を16週齢以降に行う考え方が示されています。

販売する子犬・子猫でワクチン接種を行った場合は、接種証明書も含めて新しい飼い主へ正確に情報を引き継げるよう、日々の記録と証明書を対応させて管理しておくと安心です。

母犬・母猫のワクチン接種は「妊娠前」の管理が重要

ブリーダーにとって特に悩ましいのが、母犬・母猫のワクチン接種タイミングです。

WSAVAの2024年ガイドラインでは、母犬・母猫についてもコアワクチンが必要としつつ、妊娠の前中後は接種を避け、必要なワクチンは妊娠から十分離れたタイミングに実施することが推奨されています。

実務上は、交配直前になってから接種履歴を確認すると、獣医師への相談や接種計画の調整に十分な時間を取れないことがあります。交配予定を立てる前から、母犬・母猫ごとの最終接種日、ワクチンの種類、次回確認時期を把握しておくことが大切です。

妊娠前は妊娠から十分に離れた時期に接種し、妊娠中・授乳中は接種を避け、次の妊娠に備えて接種を検討するタイミングを示した図

ブリーダーのワクチン管理でありがちな課題

ブリーダーは複数頭の親犬・親猫を飼養しているため、それぞれのワクチン接種履歴を記録し、今後必要な対応を把握しておくことが重要です。頭数が増えるほど管理する情報も増え、次のような課題が起こりやすくなります。

記録が分散し、必要なときにすぐ参照できない

ワクチン証明書を紙で保管していたり、生体ごとの記録が複数のファイルやExcelに分かれていたりすると、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。

保健所などから確認を求められたときや、新しい飼い主へ接種履歴を共有するときに備え、誰が、いつ、どのワクチンを接種したのかをすぐに確認・提示できる状態にしておくことが大切です。

誰が、いつまでに次の接種が必要なのか把握が大変

親犬・親猫の頭数が増えるほど、一頭ずつ最終接種日を確認し、次に接種を検討する生体や時期を把握することが難しくなります。

さらに、狂犬病予防注射や混合ワクチンなど、確認するワクチンは一種類ではありません。「どの生体が、いつごろ、どのワクチンの接種時期を迎えるのか」を継続的に整理する必要があり、頭数が増えるほど管理負担も大きくなります。

ブリーディング予定とワクチン接種時期をあわせて確認しづらい

親犬・親猫では、ワクチンの接種時期だけでなく、交配や妊娠、出産などのブリーディング予定もあわせて確認する必要があります。

ワクチン接種履歴とブリーディングに関する情報を生体ごとにまとめて確認できる状態にすることで、予定を踏まえながら必要な対応を判断しやすくなります。

Churupiならワクチン記録から対象の親犬・親猫を抽出

Churupi(チュルピ)では、親犬・親猫の健康管理の一つとしてワクチン記録にも対応しています。

接種履歴を残すだけでなく、ワクチンごとに設定した年度単位の接種頻度と接種記録をもとに、確認対象となる親犬・親猫を自動で抽出できます。一頭ずつ記録を探して接種状況を確認する手間を減らせます。

狂犬病予防注射に加えて、混合ワクチンなども犬舎・猫舎の運用に合わせて接種頻度を設定できます。接種履歴は生体ごとにまとめて管理されるため、生体ごとの接種履歴と、設定に基づく未接種・接種済みの区分を確認できます。

Churupi上でのワクチン管理の流れ

1. ワクチン記録を作成する

ダッシュボードから、接種済みワクチン記録を作成します。接種日やワクチンの種類など、後から確認するときに必要な情報を生体の健康記録として残します。

Churupiのダッシュボードから親犬を選び、ワクチンの種類と接種日を入力して記録を作成する画面

2. 対象となる親犬・親猫を自動で抽出する

登録済みのワクチン記録をもとに、設定した条件に該当する親犬・親猫を自動で抽出できます。未接種と接種済みの生体を一覧で確認できるため、一頭ずつ接種履歴を探す手間を減らせます。

Churupiのワクチン管理画面で、狂犬病ワクチンの未接種と接種済みの親犬を一覧表示した画面

3. 混合ワクチンなども柔軟に設定・抽出する

犬・猫のワクチンは、狂犬病予防注射だけではありません。Churupiでは、混合ワクチンなども管理するワクチンとして設定し、それぞれの記録に応じて対象生体を自動で抽出できます。

犬舎・猫舎の運用に合わせてワクチンごとの接種頻度を柔軟に設定できるため、複数種類のワクチンについて、接種履歴と設定に基づく接種状況をまとめて管理できます。

Churupiのワクチン管理設定で、狂犬病ワクチンや混合ワクチンごとに管理の有効化と接種頻度を設定する画面

ワクチンとあわせて継続的に管理したい健康情報については、犬・猫の健康診断と管理でも、法令上の義務や健診対象の管理方法を解説しています。

その他の機能については、Churupiの機能紹介ページからご確認いただけます。

まとめ:ワクチンは「記録」と「次の対応」を管理する

犬・猫のワクチン管理では、狂犬病予防注射のように法律上の義務があるものと、混合ワクチンのように感染リスクや生体の状態を踏まえて接種を検討するものを分けて考えることが大切です。

特にブリーダーでは、複数の親犬・親猫を飼養しながら、交配や妊娠、出産などの予定もあわせて管理する必要があります。接種履歴が紙の証明書や複数のファイルに分散していると、必要な情報を確認するだけでも負担が大きくなります。

大切なのは、すべての接種時期を覚えておくことではありません。「誰が、いつ、何を接種したのか」を記録し、次に確認すべき生体をすぐに把握できる状態をつくることです。

Churupiでは、ワクチンの接種記録から、次に確認が必要な親犬・親猫の抽出までをまとめて管理できます。混合ワクチンなどの接種頻度も犬舎・猫舎の運用に合わせて設定できるため、日々のワクチン管理を一つの仕組みで整理できます。

参考資料

Churupi
Churupi サービスイメージ画面

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